歯周病などの原因から歯が抜けてしまったり、アゴの骨が痩せてしまうと、インプラント治療をするために必要な骨の量が足りなくなります。
また、歯を失ってから長期間経過している場合には、アゴの骨がさらに吸収されてしまいます。
歯科用CT検査などの結果から、インプラントを埋める部分のアゴの骨の厚み、量が少なく、そのままではインプラントを植えることが難しいと診断される場合があります。
アゴの骨の厚み、量が少ない場合は、基本的にはインプラント治療には適していませんが、当院では、骨を増やす処置を同時に行うことも可能です。
骨吸収って?
骨吸収って?
人間の体は使わない箇所は衰えていくという性質があります。
筋肉を例にするとわかりやすいですよね。
お口の中も同じで、歯が抜けてしまうと抜けた箇所は、「噛むこと」でアゴの骨に
与えられる刺激が伝わらなくなり、衰えやせ細っていきます。これを骨吸収といいます。
このような場合に骨吸収がおこります
「なぜそのような状態になったか」を
考えることが重要です。
どんな病気にも言えることですが、「なぜそのような状態になったか」を考え、そこから是正していくことが非常に重要です。
これを原因除去治療と言います。
歯周病で歯が抜け落ちて骨吸収がおこった場合は、そもそも歯周病にならないように口腔ケアを自宅、歯科医院で行っていく事が重要なのです。原因除去治療を行うことで、骨と結合したインプラント体がより安定することになります。
骨の量を増やす治療方法には、主にGBR、サイナスリフト、ソケットリフトと呼ばれる方法があります。
▼GBR法(骨誘導再生法)
GBRとは、Guided Bone Regenerationの略で、骨誘導再生法のことをいいます。
骨が欠損している部分に骨補填剤を使用し、骨組織の再生を促す治療方法です。
インプラント体を埋めるために、十分な骨の厚み、量がない場合などに、利用されます。
▼サイナスリフト(上顎洞拳上術)
上の奥歯の近くには上顎洞という空洞があるため、どうしても骨の量は少なくなっていることが多くなります。
このような場合のインプラント治療には工夫が必要となり、難易度は高くなります。
そういう場合には、上顎洞の底部に骨補填剤を用いて骨を造る「サイナスリフト(上顎洞挙上術)」という処置を行います。
▼ソケットリフト
サイナスリフトと同様に、上の奥のアゴの骨を増やす方法ですが、サイナスリフトとは違い、徐々にシュナイダー膜(アゴの骨と上顎洞の間にある膜)を押し上げていき、それが完全に骨になってからインプラントを埋め込むという違いがあります。
また、骨の量を増やす治療と同時にインプラントを埋入することが可能です。極端に骨吸収がおこっている場合は適応となりません。